資格が必要

武田氏の日記に、東海村臨界事故の被害者の治療記録をNHK
取材・報道した本について記述があった。
結構前からこの本を探していたので、本日買ってその日のうちに読破。
被害者の苦しみや、放射線の恐ろしさ、医療関係者の苦悩などが
よく伝わってくる内容で、先日から少し「死」について考えている自分には
胸が苦しくなってくる内容でした。


最も興味を持って(こう書いたら微妙な話かもしれねいけど)読んだ部分は
被害者の治療について、医療関係者が今現在どう捉えているのかのくだりでした。
ある人は「患者が頑張っているのだから、私たちも頑張らなければならない」と考え、
ある人は「自分は患者に苦痛を強いただけではないのか」と苦悶する。
正解はないのだと思います。
ただ、各人がその思いを今後の日常の医療、そして被爆医療に役立てていって欲しい。
そう思います。


そして、武田氏の核武装論について「議論に参加するには資格も必要だ」というくだりは同感です。
「死んでゆく人の無念さ、その悲劇に涙を流せる感性の持ち主」が最低限の資格だという点も。
というよりも、これは核武装に限らず全ての議論に通じる所だとは思いますが。
エモーショナルな考えを取り入れてしまうと、冷静な議論が出来ないという人もいるでしょう。
しかし、その先にあるものを考えない議論ほど危いものはないと考えます。